1999年12月18日
0 (ATA) Power Macintosh 0/MASTER MATSHITA CR-589 0/SLAVE ST38641A 1 (ATA) CMD PCI646U2 1/MASTER QUANTUM FIREBALL EX6.4A 1/SLAVE QUANTUM FIREBALL CX6.4A 0/7/0 Apple Computer NULL
B'z Crew
では、上記の様にコントローラーの名称が異なって表示されています。また、下記の動作実験でも、転送速度が異なると共にコントローラーの仕様も違うと思える結果となっています。
ちなみに、0/MASTER は新型 G3 300 に内蔵されている CD-ROM Drive、1/MASTER
が内蔵 HDD です。0/SLAVE と 1/SLAVE
の欄に表示されているのは、今回の実験で取り付けてみた HDD
です。
さて、Power Macintosh G3 300 (Mac OS J1-8.5.1,ROM J1-126) に手持ちの4台の
HDD を個々に取り付けてみました。使用したものは Seagate 社
UltraATA/33 対応 Medalist series の ST33221A と ST38641A、UltraATA/66 対応 U4
series ST38421A、そして UltraATA/66 対応の Quantum 社 FireBall CX 6.4AT です。
iii.項で記したように、元々内蔵されている起動 HDD
とロジックボードとをつないでいる IDE
リボンケーブルをコンピュータ部品を扱っているお店で調達した PC
DIY 用の IDE
リボンケーブルへ取り替えることにより、スレーブジャンパ設定した
UltraATA/33 対応の HDD
をドライブポジション2へ増設することが可能です。ちなみに電源ケーブルは、SCSI
HDD 増設のために用意されているものを流用します。
ところで iii.項でも指摘したように、Seagate
製は増設に向かないようです。用意した ST33221A と ST38641A を各々に
内蔵 HDD へスレーブ接続したところ、ドライブ設定と B'z Crew 2.1.7
それぞれで初期化できませんでした。また、ST38421A
はドライブ設定で初期化が可能ですが、大量のファイルをコピーすると書き込みできずにディスクエラーとなります。B'z
Crew で初期化しても同様でした。
元々内蔵されている HDD (今回使用した G3 は Quantum FireBall EX 6.4AT
搭載)と相性が悪いという可能性も考慮して、内蔵 HDD
を外し用意した Seagate 製 HDD をマスター設定で接続し CD-ROM
起動した環境で動作確認しましたが、同様の結果でした。(ちなみに
Windows PC では、IBM の HDD がマスターに対して Seagate の HDD
をスレーブ接続するとうまく動作しない事例が過去にありました。このような場合、マスタースレーブの関係を逆にすると問題が改善されることがあります。)
反面、Quantum FireBall CX 6.4AT
はドライブ設定で問題なく初期化されました。起動用 CD-ROM
の内容をコピーしてみましたが、問題はありませんでした。
以上より、“Yosemite” の UltraATA 対応 IDE
インタフェイスには、少なくとも ST33221A と ST38641A ならびに ST38421A
が接続できないようです。やはり Quantum や IBM
で増設するのが無難なのでしょう。
ところで B'z Crew では、CD-ROM Drive が接続されている IDE
インタフェイスは、“CMD 646U2” ではなく “Power Macintosh”
と表示されます。そもそも “Gossamer” 以前の IDE
インタフェイス内蔵モデルや iMac では、マルチ I/O に1チャネルの
IDE コントローラーが内蔵されています。新型 G3
に使用されているマルチ I/O も同様である可能性は高く、CD-ROM Drive
と Zip Drive とを接続する IDE インタフェイスはマルチ I/O を使用し、HDD
接続用の IDE インタフェイスは CMD 646U2
コントローラを1チャネルだけで使用している可能性があります。
そこでまず Zip Drive の代わりに FireBall CX 6.4AT を、CD-ROM Drive
に対してスレーブ接続してみました。ちなみに、CD-ROM Drive
はマスタージャンパ設定で内蔵されています。
結果、特に問題なく認識され、ドライブ設定で初期化できました。
さて、起動 HDD が接続されている UltraATA の IDE チャネルと、CD-ROM
Drive が接続されている IDE
チャネルとは性能などに違いがあるのでしょうか?そこで、FireBall
CX 6.4AT を起動 HDD にスレーブ接続した場合と Zip Drive
ポジションに接続した場合とで、起動用 CD-ROM
の内容をコピーするのに必要な時間を計ってみました。尚、どちらの場合も
CD-ROM から起動した環境で確認しました。
起動 HDD にスレーブ接続した場合には 3分49秒、Zip Drive
ポジションでは 4分42秒という結果でした。これだけで断定することは難しいのですが、B'z
Crew の情報では CD-ROM Drive が DMA
転送モードを使用しているとのことでもあり、内蔵 HDD
が接続されている IDE チャネルが UltraATA/33
で動作しているのに対して、CD-ROM Drive が接続されている IDE
チャネルは Multi-word DMA2
あたりで動作しているのではないかと思われます。そして推測通り、コントローラの仕様自体が異なると考えられます。
以上から、UltraATA の IDE チャネルで動作しない Seagate HDD も、Zip
Drive ポジションならば動作する可能性が出てきました。そこで、ST38641A
と ST38421A をそれぞれ接続してみました。
結果は良好。どちらもドライブ設定で初期化でき、起動用 CD-ROM
の内容をコピーしても問題は発生しませんでした。
ちなみにコピーの所要時間は、ST38641A が 4分52秒、ST38421A では 4分54秒でした。
繰り返しになりますが、“Yosemite” の内蔵 IDE HDD
にはスレーブ接続で UktraATA 対応の HDD
を増設することが可能で、仮に増設した HDD
が相性の問題で正常に動作しなくとも、動作しなかった HDD を Zip
Drive ポジションに CD-ROM Drive
のスレーブとして接続すれば動作する可能性が高いことがわかりました。
ちなみに、Zip Drive ポジションに HDD を増設しても、CD-ROM
起動に支障はありませんでした。
但し、HDD と Zip Drive とは固定ビスの穴位置が異なるために、HDD
を固定する場合にはビス2点留めとなります。また、Zip Drive を HDD
に換装するメリットは少ないでしょうから、Zip Drive
が付いていないモデルにしか使えないワザでしょうかね…。
最終的に、内蔵 HDD に FireBall CX 6.4AT をスレーブ接続して、ST38641A
を Zip Drive ポジションに(CD-ROM Drive
にスレーブ接続)設置してみました。現状、特に不具合は無いようです。
勿論、動作を保証するものではありません。貴方の責任でお試しください。