2002年08月28日

“パソコン”でビデオ編集

〜“パソコン”のこと 別館〜



 DV 入出力(i.LINK)の元になっている IEEE1394 がパソコンで正式サポートされて、 Windows でも 98 Second Edition (98SE) から IEEE1394 が特別なソフトウェアをインストールする必要なく使えるようになっています。パソコン自体もここ2年で急激な低価格化と高速、大容量化が実現されました。このような状況により、一部のマニアのものでしかなかったビデオ編集用器材を超低予算で手にすることができるようになっています。
 10万円程度の Windows パソコンと1万円程のビデオ編集ソフトで、今まで撮り貯めてきた愛児や家族行事、旅行のビデオをパソコンで編集するのはけっして難しいことではないでしょう。
 当ページでは、DV 規格ビデオ素材の編集方法を中心に、パソコンによるビデオ編集を大まか(笑)に紹介しています。



  1. 必要なものあれこれ
     
    ビデオカメラ ≪DV 入出力端子を持った DV 規格の製品≫ miniDV 又は Digital8
    パソコン ≪Celeron500,HDD 空きスペース 20GB,メモリ 128MB 以上≫ Windows98SE,Me,2000 または XP であれば OK
    IEEE1394 ≪マイクロソフト社で認証されている OHCI IEEE1394≫ カノープス社などの DV ビデオ接続専用デバイスでも可
    編集ソフト ≪上記構成での DV 用ビデオ編集を目的としているもの≫ アドビ社 Premiere を例に説明します
    DV ケーブル ≪ビデオカメラと IEEE1394 入出力端子とを結ぶケーブル≫ IEEE1394 側の形状が2種類あります
    お持ちの IEEE1394 の説明書をみて用意しましょう

     ビデオ編集ソフトは、沢山の情報を画面に表示します。パソコンの画面表示サイズは、出来るだけ大きい方が作業は楽になります。出来れば SXGA (1280x1024)、少なくとも XGA (1024x768) で High Color 以上の表示環境は必須です。
     また、DV 規格のビデオデータは、1分間に 216MB のサイズとなります。1時間のビデオ画像は、12.6GB の HDD を占有します。更に、編集後のプレビュー作成用のワークスペースも必要になりますので、扱うビデオデータ量の倍の空きスペースは用意するのが無難です。

     パソコンで扱えるビデオデータには沢山の規格があります。パソコンでのテレビ録画用によく用いられている規格が MPEG2 で、DVD Video とほとんど同じものです。DV 規格というのは、主に家庭用ビデオカメラのために開発されたデジタルビデオ仕様で、現在販売されている家庭用ビデオカメラのほとんどが DV 規格の製品となっています。

     但し、ソニーの MICROMV 方式や日立の DVD 方式の様に、徐々にではありますが DV 規格以外の家庭用ビデオカメラも増えています。これらもパソコン編集が可能ですが、それぞれ専用の編集器材が必要になります。当ページでは扱いません。


     尚、ソニーの Digital8 は、DV 規格のデータを8ミリビデオテープに記録する方式ですので、テープの形状以外は miniDV と同じ DV 規格のビデオです。

     また、miniDV の“mini”に対して、標準サイズの DV がありますが、要はテープの大きさです。標準サイズの DV テープは、家庭用ではテープデッキのみが商品化されています。

     ちなみに、デッキタイプには DV テープの代わりにハードディスクドライブ(HDD)を採用している製品もあります。ノートパソコン用の小型 HDD の大容量化が進んでいますので、HDD を採用した DV ビデオカメラが近々登場するかも知れませんね。実は、miniDV テープって意外にドロップアウトが発生します。テープ面の汚れや磁性体不良で画像にブロックノイズが出る現象なのですが、10時間(テープ10本)撮ると3フレーム程度の頻度でブロックノイズに出遭いますね。HDD になれば、この確率は4桁以上に小さくなるでしょう。テープデッキ部が省略できるわけで、より防塵防滴性能も安価に高められますよね。40GB 以上で、是非出して欲しいなぁ。




  2. 突然ですが、時間の長いカットは扱いにくいのです

     Windows は仕様の制約により、2GB を超えるサイズのビデオファイルを作ることが出来ませんでした。2GB というと、およそ9分半のビデオ映像です。Windows2000 や WindowsXP では 4GB まで拡張できるようになっていますので、19分弱のビデオ映像までは1つのファイルとして扱えます。しかし、19分を超えるカットを扱ったり、編集後の作品が19分を超える場合には、ファイルを分ける必要があります。

     もちろん、2GB や 4GB という制約を克服するソフトウェアやハードウェアも各社から出されています。例えば OHCI IEEE1394 の代わりにカノープス社やアイ・オー・データ社、ピナクルシステムズ社の DV キャプチャ専用ボードを選べば、参照 AVI 方式の専用ドライバにより、HDD の空き容量が許す限りの長いビデオ映像を1つのファイルとして扱うことが出来ます。

     とは言え、パソコンではビデオ映像を容易にフレーム単位で扱うことができるので、19分の制約はテクニックでカバー出来るでしょう。それに、多くの場合、5分を超える長いカットというのはなかなか撮る機会が少ないと思われますしね。




  3. 旧いビデオテープもパソコンで編集

     VHS やベータ、8ミリビデオなどで録画されている映像は、一旦 DV 規格のビデオカメラにダビングすればパソコンで編集できるようになります。DV 規格はデジタルファーマットですから、ダビングをおこなっても画質の劣化が殆どありません。

     8ミリビデオやハイエイトのテープライブラリがとても多い方は、Digital8 カメラを導入すると便利かも知れません。Digital8 カメラは、8ミリビデオとハイエイトの映像を DV 入出力経由で直接パソコンに取り込むことが出来ます。更にアナログビデオ再生用にデジタル TBC が標準装備されているので、当時の8ミリビデオやハイエイトカメラでの再生よりも綺麗な画質が期待できます。但し、Digital8 はハイエイトや8ミリビデオの PCM 音声トラックの再生はできません。

    (これから Digital8 の購入を検討される場合には、既にカタログ落ちしている DCR-TRV620 を探すことをお薦めします。現行モデルも含め、今まで発表されている Digital8 カメラの中で最も高性能ながら流通在庫も期待でき、実売価格も現行モデル以下の様です)




  4. 以下、次号

    当ページは不定期更新です…。

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